特殊な売却のケースの注意点

前面道路は誰のもの?(戸建て・土地売却のケース)

道路には大きく分けると「公道」と「私道」の2種類があります。
「前面道路が6mある公道で間口も広い」という物件であれば、あまり心配はありませんが、注意が必要なのは前面道路が「私道」の場合です。
「私道」であっても、100%自己所有の「私道」や、数区画の開発地で区画の所有者が私道の持分を持ち合う開発道路等であれば、取引の際にもそれほど影響はありません。しかし、『他人が所有している「私道」』の場合は、売却を行う際に“事前にどのような取り決めがしてあるか”によって大きく異なります。
その取り決めのポイントは『ライフライン』と『通行権』です。まず、住宅を建築し、そこで生活をするためには必ず上下水道・ガス等のライフラインが必要です。これらライフラインの埋設管は、基本的には「公道」に埋設してありますので、前面道路が第3者の所有する「私道」であった場合、その私道を経由して自分の土地に引き込む必要があります。他人の土地に配管を通す訳ですから、当然その土地(「私道」)の所有者の承諾が必要になります。

また、現状当り前のように人や車を通行させているとしても、「私道」の所有者との関係が悪くなったり、「私道」の所有者に代替わり、もしくは第3者への譲渡等があった場合には、これまで通り通行できるという保証はありません。

そこで、第3者が所有する「私道」に接した土地を売却する場合は、売却を始める前に「私道」所有者との間で上述の「ライフラインの埋設・工事」、「無償通行」を将来にわたって承諾し、所有者が譲渡等で変わった場合でも、その承諾を新所有者に引き継ぐ、という内容の「承諾書」を予め取得しておくことが重要です。

その境界標は大丈夫?(戸建て・土地売却のケース)

「隣地との境界をめぐるトラブル」
土地取引の際に最もトラブルになるのは「隣地との境界をめぐるトラブル」です。“何十年前に境界石があったが、今は紛失してしまった”、“境界標のプレートはあるが、隣地の人が勝手に移動してしまったのでは?”…というトラブルは、土地を所有する期間が長いほど多くなります。

土地の売却を行う際に、売主様が土地家屋調査士等に測量作業を依頼し、問題のある境界標を明確にするためには隣地所有者の立会いによる同意が必要です。しかし、必ずその同意が得られるとは限りません。

境界の位置によって隣地所有者の土地面積が狭くなってしまう場合や、元々のトラブルの原因が根深いものであれば、同意を得るのも簡単ではないでしょう。
境界に関するトラブルを抱えたままでは、まずその土地は売れません。
トラブルを抱えた状態の土地を購入するのは、当事者である隣地所有者かプロである不動産業者くらいですが、当然売却価格は周辺の相場を大きく下回ります。境界に問題のある土地の売却を行う場合には、販売前にある程度自分が損をしてでも隣地所有者の要望を聞いて境界を確定させておくことが、その後のスムーズな売却活動につながります。

投資用物件の売却で大事なことは?(収益物件売却のケース)

昨今、賃貸用アパート・マンション等の一棟もの売買といった投資取引市場が拡大し、投資物件を専門の不動産サイトも多く存在するようになりました。
一昔前のバブル景気当時の投資目的は「資産価値上昇によるキャピタル・ゲイン」でしたが、昨今の投資ブームでは「安定した賃貸収入によるインカム・ゲイン」に投資目的がシフトしてきています。「バブル」といわれた“値上がり期待”という実体のない原因により成り立っていた不動産投資ブームとは多少異なる部分もあります。しかし、現在の不動産投資市場にも大きな不安要素が見られます。
それは、投資家の皆さんの多くが、“表面的な利回り”ばかりを意識しすぎ、投資用不動産を検討する上で一番重要な部分を蔑ろにしているということです。
当然のことですが、賃貸物件であれば「借りてくれる人」がいなければ成り立ちません。

投資物件の表面利回りがいくら高くても、広告上に出ている利回りの殆どは“満室時想定利回り”です。実際に満室になっていなければ、当然想定の利回りを得ることはできません。

また、売り出し時に満室だったとしても、それまで空室だった部屋の賃料を大幅に下げ、売り出し時の体裁を整えている(=作り出された満室)可能性もあります。このような場合、満室状況は長続きしませんし、いたずらに「借主の属性」を下げてしまうことにもなりかねません。

“賃料設定がいくらか”ということと同様に“借主さんの属性の良さ”が重要になります。いくら相場より高い賃料で契約していたとしても、借主さんが確実に家賃を支払ってくれないことには話になりません。

投資用物件を購入したが思うような利益が上がらない

ここ数年、不動産投資市場は拡大の一途をたどり、個人不動産投資家も飛躍的に増加しましたが、前述したポイントまで押さえて投資物件を購入した投資家は少ないのが現実でしょう。今後、“投資用物件を購入したが思うような利益が上がらない”という投資家の増加が予想されますが、不動産投資市場自体は、年金問題の先行き不透明感等の理由により大きく衰えることはないでしょう。

そこで、今後不動産投資市場で起こるであろう状況は“「売れる物件」と「売れない物件」の二極化”ではないかと思います。「売れる物件」であれば多少低い利回りでも買い手は付くでしょうが、「売れない物件」は“利回りの問題ではない”となる可能性が十分あります。

では、「売れる物件」とは一体どんな投資用物件なのか。それはいたって簡単です。

“自分や自分の家族をそこに住まわせたい”と思える物件かどうか、ということです。
そのためには、しっかりとした管理と定期的なメンテナンスを行い、常に属性の良い借主さんで満室の状態を保てるようにしなければなりません。

あなたが今所有しているアパート・マンションは、そんな状態になっているでしょうか。

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